マシュマロベイビー
カラン。
純が缶コーヒー片手に
店に入ってきた。
お姉さんがたをはべらしている
アラタたちを見て
固まった。
「おつかれ。どうした?ジュンジュン」
お姉さんとダーツ対決をしていた
コウタが声をかける。
「おいおい。
ミサさんたちが、キレイすぎるからって
固まんなよ〜」
絶好調のタケルの言葉に
答えず。
「やっちまった」
純が言った。
「は?」
このコンパに
飽き飽きしている
アラタと奏だけが
純に聞いた。
「いや。
かわいい探偵が2人いたから
気づかないフリしてしまった」
純が要領を得ないことを言う。
「は?」
また、同じ反応のアラタと奏。
「いやー。
でも。オンナはべらしてる
お前らが悪くね?」
言うのがこわいみたいに
なかなか核心に触れない純。
まだ、は?
って顔してるアラタに
「だ、か、らー
駅からついてきてたの、わかってたけど
…連れてきちゃったの!」
純が顔を覆って、親指で背後を指した。
純の背後。
英字のロゴで中央が隠れている
一面の窓ガラスを見るけど
別に誰もいない。
「?
誰もいねえけど?」
振り返った純が向き直って
「あーっ。やべ…
アラタ。
走れ」
そう言った。