マシュマロベイビー



「ていうかさ、そんなチカン合うの?」



アラタが聞く。



「出勤、帰宅ラッシュなら100%」



「マジかよ」



「この帰り道も?」



「暗くなるときは、マ、お母さんが」



「ママでいーよ。バレてるし」



笑って言うアラタ。



「ママが来てくれるから。



大丈夫だけど。



チカンなのかわかんないけど



追いかけられたことは、ある」



「マジか。



マジで大変だな」




何かを考えているような表情のアラタ。





萌の家の前まで、アラタは



送ってくれて



「じゃあな」って。



早く家入りなって手を振って




その後は振り返りもしないで




帰っていったアラタ。




萌は



その夜



何だか、へんな気分。




ほんとに、アラタが



オトコ友だちになってくれたらな



って。




そんなことばっかり考えてた。




「なにーお姉ちゃん



機嫌いいね。ママと仲直りしたの?」




妹にの莉ちゃんに言われて




思い出した!




わたし、クビになったんだった!



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