マシュマロベイビー
紅葉とは2年生で同じクラスになって
クラスの女子が
「ゆりはねぇー
理想はぁ、
イケメンで性格良くて、喧嘩が強くて
あ、でも不良じゃなくて、頭良くて
ゆりのことだけ、好きでぇ、
後はぁ、お金持ちでぇ。
ゆりの浮気はちょっとくらいは、許して
くれてぇ。あ、でも自分はゆりに
一途でぇ」
なんて無茶苦茶言ってる
遊びーなゆりに
「そんなオトコいるか、夢見過ぎ。
ちょっとイタイよ、あんた」って
私が心の中で思ってたこと
ズバって言ったの聞いて。
え?
…好き♡
って思ってしまって
仲良くなりたくて
自分から声かけた。
思った通り、紅葉は
こんな私のことも
「萌が我慢したり、気を使う必要なんて
全くなし。
バカは無視してたらいいよ」
って、欲しい言葉くれる。
サッパリしてて、裏表とかない
ほんと、大好きな親友になった。
そんな紅葉こそ
ストレートのツヤツヤ黒髪で
アジアンビューティな切れ長の瞳で
メガネも似合う美女。
痩せてて、スタイルも良くて、
クールでかっこいいんだよね。
「わたしも、紅葉大好き」
わたしは、紅葉がいればいいや。
ほんとに、そう思う。
帰りの電車の中。
「萌、今日はこのまま帰るの?」
「うん、そう。
紅葉、今日バイトだもんねー。」
ほんとは、火曜日はシフト一緒なのに…。
「うんー。急に頼まれたからしょうがないねー」
なんて、話してたら。
「ギャハハー」
笑い声が聞こえた。
あのオトコの子の集団が出す
特有のおっきな笑い声。
とっさに、いやだ!
って思ったら
全然わたしとは関係なかった。
よく、ニヤニヤ笑われたりするからって、
自意識過剰だった。
制服で集団の男の子たちは
派手で、うるさいけど
仲良さげに、みんな笑ってる。
楽しそう…
自分がもし男だったら、あんな風に
外見とか関係なく
男の中でも笑いあったりできたんだろうな
なんて、萌はちょっと思ったけど。
萌を守るみたいに立ってくれてた紅葉。
もう、ほんと紅葉大好き♡
そんな、紅葉が言う。
「…若松工業の奴らじゃん。
あいつら、ガラ悪くて
ガサツでバカで…
大っ嫌いなんだよね。」
?
もともとお互いオトコの子は嫌いなんだけど
それにしても、毒舌。
紅葉、若業生はとくに嫌いだよね。
?
そう思いながら
「そうなんだー」
萌はそう相づちをうって
まあ。わたしは、若業に限らず
どこの男子も嫌いだけどね。
心の中でそう思った。