マシュマロベイビー
〝萌の中でアラタは
オトコじゃなかった件。〝
コウタが、笑って言う。
「萌ちゃん。つよ
アラタをオンナトモダチ扱い笑。
やっぱりオモロイね。」
「だって、しょうがねえじゃん?
最初っからオトコキライって言うし。
何でかトモダチとして、めっちゃ
信頼してくるし。
あれで、オトコ見せたら、ぜったい
すぐサヨナラだっただろぉ?」
熱いって言っておきながら
ガンガン。
純の背中に
ヘッドバンキングしながら、
くだまくアラタ。
マジ。
自分でも気づいてなかったって
いうか、
気づきたく無かったっていうか。
だって、根底からオトコを拒絶している
子だよ?
トモダチ烙印押されちゃってるんだよ?
なのに
萌に言われて、
めっちゃ、ショックだった。
マジかって
数本、駅で電車見送ってしまったわ。
はーっ…。
何だよ、おれ。
萌に
完璧に落ちちゃってるじゃん。
「痛いよ。アラ子。
やめなさい」
まだ動画を見たまま
声をかける純に。
「だれが、アラ子だっ」
ベシっ。
また
アラタが純の背中を叩く。
「てか、アラタってやっぱり
最初から萌ちゃん狙ってたの?
やっぱ、あのぼよよん?」
まだ食べてるコウタがパンを口にくわえて
胸のカタチを手でマネする。
「…ちげーよ。
胸とか
マジ関係ねえし。
最初はほんと、なんか…なりゆきで、
悪かったな…って気持ちで。
それと、何かすげえ、
何ていうか
健気に
強くいようと頑張ってるから、
何か…してあげたかっただけで」
「けど…
あいつ。
かわいいんだもん」
下向いて頭をくしゃくしゃってするアラタ。
「反則だろ。
若業なんて大キライとか言ってたのに
めっちゃノリいいし。めっちゃ
一生懸命遊ぶし。
か弱くて、なんもできません。
みたいな顔して
女子のあざとさ、ゼロだし。
海んときも…
やばくね?あいつ」
気付いたら熱弁して
萌への夢中度を語るアラタ。
「はいはい。
どハマってるわけね。萌ちゃんに。
確かに海んときのは、やばかった。
あれは、惚れそうになるよね」
コウタが、言う。