マシュマロベイビー


やっと動画を見るのをやめた



純が



何でもないみたいに言った。



「オスったらいいじゃん」



「へ?」



アラタとコウタが同時に



気の抜けた返事する。



そんな2人に純が続けて言う。



「だから、



オス化すればいいじゃん。」




「萌ちゃんにオトコだって、



意識させればいいんだろ。



ポジション的には1番近いとこに



いんだし。



アラタなら楽勝なんじゃん?」





「それができれば苦労しねぇよ。




萌がそれを望んでねぇんだから。




…嫌われちゃうだろ」



いつになく、弱気なアラタ。




「…でも、いずれ誰かのものになるよね」



コウタも一緒になって言う。



「モテるだろうし。



オトコトモダチだなんて



言ってるあいだに



誰かに取られたら…



ていうか、取られるんじゃん?」



あおってくるコウタ。



「だって、オトコ嫌いって言うけど…



普通に楽しそうだったよな?萌ちゃん。



おれらといて。」



「オトコがダメっていうか…



萌ちゃんが嫌いな




〝オトコ〝じゃなきゃ



いいんじゃね?」



単純明快だろ?って言いたげな



純の口調。




2人にあおられ…





「はー。」



でっかいため息をついた



アラタ。




「…だよな。



本気だすかー」



なんて言ってみる。



「きゃー。


逃げてー萌ちゃーん」



コウタがふざけて言った。



お前ら面白がってんだろ。




「そういえば、奏は?



サボりか」





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