マシュマロベイビー
つかまえたら俺のもの
スーツ。
深呼吸する様に息を深く吸った紅葉。
ん?って、萌が見つめる先で
紅葉が
「奏司郎の、バカーッッ」
大声で窓から叫んだ。
バッ。
慌てて窓から隠れる2人。
叫んだ紅葉までびっくりした表情で
窓の下で顔を見合わせる2人。
プッ。息がもれて
「ふっ、ふひゃははは」って
笑いが出る。
はー。
紅葉は息を吐き出した。
「…ちょっと、スッキリするかも。
萌も叫んでみたら?
どうせ、わかんな」
いだろうし。と続けようとした紅葉の声は
「紅葉ーッッ」って
奏の大声で消える。
…え?
そろり。窓から顔を出す2人。
奏がキョロキョロ。
校舎見上げてる。
え?聞こえちゃったの?ほんとに?
しかも、声ばれ?
何で、まさかっ!
そう思ってたのに。
バチっ。
見渡していた奏と目が合う。
「テメ、
紅葉っ。
そこ動くなよっ!」
大声で叫んで、駆け出す奏。
え?
え?
マジ?
動くなって……ムリッ。
「萌逃げよっ」
「は?!マジ?
萌?!」
下からアラタの大声も聞こえる。
顔を見合わせ…
慌てて駆け出す萌と紅葉。