マシュマロベイビー
自分の鼓動の音なのか
アラタくんの鼓動の音なのか
ドクドクドクドクドクドク。
鼓動音が繋がっているみたいに
2人に響いてる。
アラタの腕はまだ萌の腰を
抱きとめたまま。
ハア、ハア。
荒い呼吸音と
2人してピンクに染まった肌。
「萌…。ハア
何やってんの」
抱っこされた状態で
アラタが下から見上げて言う。
アラタのアゴに玉のような汗が伝う。
ハア。
「しかも、何で逃げんの」
同じように
ハア。呼吸音を響かせて
でも
答えない萌に
「勘弁してよ」
汗を拭ってアラタが言った。
ズキン。
って、胸が痛んだ。
勘弁してよ。なんて
…何で?
何で?
そんな、こというの?
「べ、別にいいじゃん。
来たかったから、来たんだもん」
萌は思わずそんな風に言っちゃった。