マシュマロベイビー



「萌?」



そのアラタの声に被せるみたいに



「ご、ごめんなさいー」



許してーって




言うみたいに、萌が言った。





ごめんなさい?



何で…



謝るんだよ?




告うまえから、



振られてんの?おれ。



今日の萌は



捕まえてないと



どっかに逃げてしまいそうで。




やっぱもう…嫌われた?



さっきの、エロ爆発の若業クイズのせい?



それとも



信用してた…おれが



萌のこと




いちばん




女の子として見てるって




バレたから?




もう、オトコトモダチ失格?



…わかんねぇ。



アラタがゴシって、頭をかく。



萌のほんとのとこを知りたくて




萌を見つめるけど



小さくなって、そのまま消えたい



っていうみたいに



うずくまる萌。



ふんわりした髪が柔らかそうで




すくめてる華奢な肩。




おれを拒絶するみたいな



後ろ姿。



…隠さないでよ。




顔が



萌の顔が見たい。




「…萌」



アラタの頼むみたいな言葉に



やっと、顔を上げた萌は



やっと視線を合わせてくれた萌は



泣きそうな声で




「もう、帰りたい」




そう言った。

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