マシュマロベイビー
「もしかして…
板垣さん付き合ってるとか!?」
探り顔の増本さん。
「うううん。トモダチ!」
慌てて。顔の前で手を振って
答える萌に。
「そうなんだー。トモダチ?
何か…意外な繋がりだね。
板垣さんとアラタくんって」
「同中とかでもないでしょ?
トモダチなの?」
すごい突っ込んでくるよね。増本さん。
「えっと、うん。偶然?というか
バイト先で知り合って」
「何で?何で?
同じバイトなの?
違うの?
じゃ、ナンパされたとか?」
厳しい追求にあらかた
白状させられる萌。
「ふーん。それでねー…
ごめんねトモダチかい笑
で、いつまでさせるの?」
増本さんが笑って言った。
「え?」
どういう意味?って顔した萌に
「お詫びで送ってもらってるんでしょ?
それ、ずっとじゃないよね?
だって、
“トモダチ“ってだけで、
そこまでさせる?
板垣さん。
毎回送らせるとか…」
増本さんが言いかけて
「あっ。まあ、
ねえ」
言い過ぎと思ったのか
取り繕ったように加えて言った。
「そういえば、
うちの学校にもアラタくん
前付き合ってた子いるよね」
増本さんのトモダチも言う。
「一個上の先輩でしょ?
ほら、あのキレイな」
え。
あ、…そうなんだ。
そりゃそうだ。彼女くらい、いたよね。
アラタくん。かっこいいし
優しいし。
人気あるんじゃん。
わたしの知ってる…
知っていると思ってたアラタくんなんて
ほんのイチブなのかも…
え。今は…いないよね?
どうなんだろ…そんなこと
聞いたことなかった。
アラタくんに彼女…。