マシュマロベイビー



いつまでも続く夏の気配。


夕方でもお構いなしに照りつける太陽のせいで




足元には歩いていく2人の影。




…萌。



なんか、やっぱり怒ってんのかな。



変に思ってんのかな。







駅着いてからずっと、下向いてるし。



何か最近おかしいしよな。



〝オトコトモダチ作る〝って何?



『ムリだろっ。好きになられたら



どうすんだ?』

 
 

『他の男とも、こんな風に手繋ぐのかよ?』



『ぜったい、すぐ狙われるって』



『オトコ嫌いじゃなかったのかよ?』




なんて、私情入りまくりの言葉



どれも言えるわけねぇ。



全部、ブーメランで自分に返ってくるじゃん。



さっきも、さっそく



マサ(金髪)にナンパされてるし



あれ、マサとトモダチになろうとしてた?



考えるだけで…



心配でどうしようもねえよ。



思わず、おれのだって



彼女だって、



おれの好きな子だって




ほんとは、もう言いたかった。



でも、すげえ



萌が否定するから…。



萌。



やっぱ、気づいたんかな…



おれがトモダチ以上で見てるって…



だから、こんな



小悪魔ばりにおれを



振りまわすの?



もう、おれのことキライになった?



オトコとして意識させる前に




エロオトコとして意識させちゃった!?



やばくね。



大失敗じゃね?




ああああ。




焦って、なんて言ったらいいか




わかんね。





無言の空気が一気に重くなった気がする。





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