幼女総長と不良たち
私が四竃を"にゃんこ"となんとも馬鹿らしいネーミングで呼ぶようになったのは、四竃にそう呼んでくれと言われたから。
バイトで深夜帰りになった四竃が、まだ私の部屋の明かりがついているのを見て訪ねて来たことがある。
その日はバイト先のおばちゃんが皆休みで、おじちゃんばかりだったらしい。
血を貰えなかったから私に飲ませて欲しいと言う自分都合で、迷惑省みず深夜にやって来たのだ。
・・・でも自分都合でしか来ない猫系男子の四竃に、私はちょっと"可愛い"という気持ちを抱いてしまっている。
あの猫目で上目遣いをされて頼まれたら私は断れない・・・
というのも四竃は充分に理解していた。
そんなに前じゃない、まだ3ヶ月程前の話だ。
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「姐さん、どこがいっすか?首じゃ噛み痕が目立つよね??」
「・・・今更・・・別にどこでもいいです。」
その時はまだ私のことは"姐さん"と、そして四竃のことは"しかま"と呼び合う仲で、
可愛げの欠片もない無愛想な私はいつも敬語。
別に四竃に対してだけじゃなく誰に対してもそうだった。
捨てられた父親にそうやって育てられたから・・・
でもそんな敬語口調が人と壁を作る原因になっていても、四竃は最初から私に近付こうとしてくれた。