幼女総長と不良たち





多分2人きりになるのはそれ以来だと思う。


今日は変な時間にお昼寝をしてしまったから全然目が冴えている。

とりあえず居間に座り込むと、四竃がついていたテレビの電源を消した。

もう「よいこは寝なさい」とでも言うつもりか。

でも四竃が私の隣に座ると私を見て言った。


「・・・さて・・・ルカちゃん、ちょっと話をしようか。」


四竃が改まったように私を四竃の方へと向かせる。


・・・四竃は鋭い。

極道の息子として生きてきたから当然だ。

彼の父親でもある組長は多くの人間に慕われ、多くの人間に裏切られてきた。

それを間近で幾度となく()の当たりにしてきたのだろうと、今この瞬間によって痛感させられることになる。


「・・・ルカちゃんさ、二越サンに言われるまで暴行事件のこと知らなかったんすよね?」

「・・・うん?」

「でもこの服って、今日瞳子サンが持って来てくれたんでしょ?」

「・・・うん・・・。」

「瞳子サンのが先に来てるならさ、暴行事件のこと瞳子サンから聞いてるはずじゃない?」

「・・・・・・」


警察官であり私の叔母である瞳子サンが、私に会って暴行事件のことを真っ先に私に言わないわけがない・・・。


「・・・それに一氏さんとも何かあったんでしょ?」

「え・・・」

「律儀な一氏さんが用事の中身も言わずに突然帰るわけないって。」

「・・・・・・」


四竃は俯く私を無理にどうこうする訳でもなく、沈黙を貫こうとする私の前で只じっと待っている。

自分の心臓が小刻みに動き出して、私の小さな胸板が前後に動き始めた。


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