幼女総長と不良たち
「それより今ヤバい暴行事件が横行してるらしいじゃねえか。
昨日瞳子に聞いて初めて知った。」
「・・・うん・・・」
「益々俺が来て良かったな。」
「良かったな」ってそんな自信満々に言われても・・・
こっちは昨日あなたに寝返らないと決めたばかりなのに。。
養護施設で育ったってことは、凌久も両親がいないってことなのだろうか。
つまり、昨日私を仲間に引き入れようとしたのは只のほっとけない精神だけじゃないのかも・・・
もしかしたら私に親近感が沸いているのかもしれない。
机を挟み凌久の向かいに座り込んだ私は、しっかりと凌久を見据えて言った。
「・・・凌久、ありがと・・・
でも、私は凌久の元には行けないんでしゅ・・・。」
「・・・・・」
「私は皆のことが大しゅきだから、皆の元に居たい。」
「・・・ふうん。」
凌久の視線が私から離れない。
私も負けじと凌久の目を捕《とら》え続けた。
凌久は私を睨んでいるのか、それとも見つめているのか。
総長同士の束の間の沈黙が流れた。
私の意志が伝わったのか、凌久がようやく視線を斜め下に落とした。
それを見て私も思わず息をつく。
「でもまあ、
それとこれとは別の話だ。昼間は暫く俺がお前の世話役。」
「う・・・」
「俺は警視官公認のボディーガードなんだからお前に拒否る権利はねえよ。」
「・っ・・・・」
「捕って喰やしねえから安心しろ。」
「・・・・」
安心しろってロリコンの癖にどの口が言うんだ。