幼女総長と不良たち
1年前の記憶の断片がぐるぐると頭の中を周り、過呼吸にも近い症状が表れ始めた。
ふと皆の顔が浮かぶ。
『・・・・悪かったよ・・・
お前の友達のこと悪く言ってさ。』
『僕の肌はオルカの血のお陰で綺麗なんだ。
ありがとう。』
『ごめんねルカちゃん、総長にしちゃったのは俺なのに・・・』
『俺たちの総長でいてくれてありがとね織果ちゃん。大好きだよ☆』
皆の言葉を思い出し必死に歯を食い縛る。
大丈夫、怖くない怖くない。
耐えろ耐えろ耐えろ。すぐに終わるはず。
そう自分に言い聞かせ、叫び声をコクリと呑み込んだ。
「ダメ、ちゃんと、哭いてくれなきゃ。」
一瞬離された唇でチュッと私の頬に可愛いリップ音を立てる。
でも直ぐにそれは新たな衝撃へと変わる。
ハン君がさっき噛んでいた部分にさらに深く噛みつくと
ギリギリと皮膚が咬みちぎられそうなくらいに歯を食い込ませてきたのだ。
「ぅああああああああ"あ"あ"あ"!!!!」
呑み込んだはずの叫び声がお腹から押し返されたように部屋に響く。
あまりの痛さに涙が流れ始めた。
牙のない歯に力だけで押し込まれ、それは数分間にも及んだ。