幼女総長と不良たち
・・・私は父親に、お前のせいで母は死んだのだと幾度となく罵られた。
母を溺愛していた父親は、母が死んだショックで次第に精神状態が不安定になっていった。
「俺が育ててやってんだから敬語で話せ」と命令され、
私が笑っても怒っても、泣いても怒鳴られた。
3歳になる頃には食べ物だけが家に置かれるようになり、父親はいるのかいないのか分からない存在になった。
最後に父親が、「疲れた」と一言言って、父の歩幅に無理矢理合わせられるように手を引かれた。
着いた場所は教会のような建物の施設で、父親の冷たい目が小さな私を見下ろす。
「産まれて来たことを懺悔しろ」と言われているような気分になった。
いつか誰かに愛されることはあるのだろうか、
そんな希望すらその時の小さな私には持てなかった。
でも、違う!
小さな私の前に瞳子さんが現れた。
只母の妹だからという理由だけで私を引き取ってくれ、
15年もの間、沢山の無償の愛を注いでくれた。
皆と出会って、皆が私に居場所を作ってくれた。
1年前の事件のことをずっと悔いて来てくれて、今じゃ私を守るために必死になってくれている。
私は"かわいそう"なんかじゃない!!!!
私は幸せな人間だ────
脇の下にあるハン君の手を監視しながらも呼吸を静かに整える。
興奮する息が漏れないよう、小さく深呼吸をした。