幼女総長と不良たち
「ボクと同じ、かわいそうな君の姿にすがるうちに、
いつしか君を、神様だと思うようになったんだ。」
否定の声も上げないまま、繋がれている自分の鎖をぎゅっと握り締める。
無理に気持ちを落ち着かせると彼のゆっくりと紡がれる言葉に耳を傾けた。
──────ただ、ただ、
───・・・・長い。
一体どれくらいの時間が経ったのか。
ゆっくり、ゆっくりと、一言一言言葉を紡ぐハン君の話はかなり長かった。
拷問だ。
彼が12歳の時、彼の力が暴走し、ヴァンパイアに犯されそうなところを鎖をちぎってそのまま父親の元から逃走した。
幸い彼の父親は警察に捕まって、彼は養護施設に保護されることになる。
それもこれも全て私という存在にすがり続けたお陰らしい。
それからは私に会うため色々努力をしたとか。
日本語の勉強だけでなく、日本に行くお金を貯めるためのアルバイトを沢山したり。
でも1年前、集団リンチに合った私のネットニュースを見て、彼は変な感情に襲われることになる。
集団リンチをした輩に抱いたのは"憎悪"ではなく、"嫉妬"であったと。
自分がヴァンパイアに傷付けられてきた後遺症が、私に対し"殺傷症候群"として表れたと。
まさに私にとって、狂気に満ちた話だ───
ようやく話終えたハン君が私の小さな身体にゆっくりと上から下へ、視線を這わせる。
「君の身体を犯したら、君は、どんな風に哭くのかな・・・・」