幼女総長と不良たち
馬乗りになっていたハン君も身体中汗を流し、気が動転した様子でナイフを押す手を震わせている。
私はベッドから下り、里桜が落としたバットを手に持つとハン君に向かって行った!!
でも私の気配を察知していたハン君が一気に里桜からナイフを引き抜く!
「がああぁ"ぁ"ッッッッ!!!!」
引き抜かれた痛みに里桜が声を上げ、
私の振り翳したバットが、膝立ちのまま振り返ったハン君の左腕によって止めれた!!
「っっ!!!!」
一瞬の出来事に目を見開く私に、血塗られたナイフが向けられる。
「───ボクと一緒に、地獄へ行こう
・・・織果────」
彼に初めて呼ばれた名前に、息が詰まる。
無数に咬み痕が残る上半身が何重にも見えた。
"いつか誰かに愛されることはあるのだろうか"
ハン君もそんな希望、きっと持てなかったんだろうね。
ずっと、ずっと・・・辛かったよね───。