幼女総長と不良たち


私の目の前で横向きに倒れ始めた里桜が咳込んだ。


「里桜っ!!!!」


重い身体を仰向けにすると、大漁の汗を流しながら肩にはトマトを潰したように血が広がっている。

次々と鮮血が粘度を持ち(あふ)れ出す。

どうしようっっ・・・

これじゃ病院に行くまでに間に合わないかもしれない!!

周りを見渡すとベッドの上には脱ぎ捨てられたハン君のTシャツがある。

それを取ると止血のためにぎゅっと里桜の肩をTシャツで抑えた。

あっという間に紺色のTシャツが紫色に染まる。


駄目だ・・・私の力じゃ全然止血にならない!


私は迷わず里桜に言った。


「里桜!!私の血を飲んで!!」


自分の小さな腕を里桜の口につける。

里桜の呼吸が腕にかかるも、なかなか口を(ひら)こうとしない。


「・・・・おま・・・いま、ちっせーから、だめだ。。」

「1人分くらいなんとかなりましゅ!!」


4人のヴァンパイアに飲まれたら一巻の終わりだが、1人くらいならいけるはず!!

何の確証もないけど。


それでも里桜は小さく頭を横に振る。


私はハン君が落としていったナイフを取ると自分の腕に当てがった。

傷を付け血を流させようとする私に、里桜が遮る。


「ばっ・・・おま・・・バカか・・・。」

「馬鹿でしゅ!!」


里桜に言われるのは(しゃく)だが今はそんなことを言っている暇はない。

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