幼女総長と不良たち






──────話はちょっと飛んで、


結局爆走して追いかけて行った洸太郎のMINIはハン君に上手く(かわ)され、追い付くことが出来なかった。

鎖も鍵もナイフもTシャツも、全て里桜と私が触ったお陰で証拠を隠滅してしまった。

当然暴行事件もハン君だという証拠は何もない。


因みに、初め私の護衛役で来るはずだった宮部さん、

トラックが歩道に突っ込んだのは故意に仕組まれたことかもしれないと瞳子さんが言っていた。

宮部さんをトラック事故にかかりっきりにさせるためにわざとハン君が事故を起こさせたんじゃないかとも。


スマホのGPSでハン君の後を辿るもハン君のスマホは壊されたのか何の信号も得られなかった。

唯一手掛かりとして残っていた私の肩の歯形はお風呂に入った後で気が付いた。


大学も退学届けが出されたらしく、このままハン君が自国に戻ってしまえばもう調べることさえ困難になってしまう。

事情聴取を求めたくとも現在彼は行方不明だ。




それから、

私はずっと小さなままだ。


この先私が成長するのかどうかもまだよく分からない。



小さな私がまたいつどこで拐われるか分からないからと、凌久たちが私をマンションで保護すると買って出てくれた。

確かに凌久たちなら昼間も家にいるし都合がいいかもしれないと今瞳子さんが検討している。

でも里桜たちは猛反対だ。

宗平は洸太郎の仲間に任せるくらいなら私を学校に連れて行くとまで言い出した。

それは絶対ゴメンだがそのあたりはまた別の話だったりする。



そして

何故私が小さな子供になってしまったのか、


それは暫く経ってから知ることになる──────。





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