幼女総長と不良たち


『・・・そのキズ、私の血でも治らないんですね。』


『・・・お前の怨念でもこもってんじゃねぇの。
どうすんだよこのキズ!
一生もんかもしんねぇじゃねえか!』


大したキズじゃないのは重々承知だ。

別に一生もんになったとしても、なんてことはない。

ちょっとこの無表情をからかってみたくなっただけ。

どうせ無視られるだろうくらいに思ってたのに、

その綺麗な瞳が光を回し揺れた。


『じゃあ"一生もん"だったら私が責任取りますよ。』

『・・・・・は?』

『だから、「黙って私について来な」。』

『・・・・・』


意外すぎた。

コイツでもこんな冗談言うのかって。


『・・・ざけんなよ。』

『ふざけてすみません。』

『・・・・・』


女の癖に、長いチリチリの黒髪(なび)かせて、

何イケメンみたいなこと言ってんだよ。

全然笑えねぇし。


でも

俺の全身が柄にも無く熱を帯びた瞬間だった。




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