幼女総長と不良たち


青塚(あおづか)白丘(しらおか)黄華(おうか)赤渕(あかふち)、俺ら4校の因縁は深い。

特に青塚の俺と白丘の二越(ふたごえ)は高校が近いのもあってか生徒同士が会うだけで喧嘩をしていた。

1年生で早くもトップに立つことになった俺と二越は、それはもうお互いがお互いを潰すことばっか考えていた。


でも織果が現れて、いがみ合う気持ちが少しずつ失くなっていく。


それはアイツが強すぎるからじゃない。

無表情の癖に、一緒にご飯を食べようと不良の俺らを家に招き入れたからだ。

俺と二越の仲を取り持つためだったのだろう。

本気で手を出し合っていたのが、今じゃ本気で口を出し合う仲だ。



黄華の三潴(みずま)なんてのはとにかくふざけた野郎で、女と見れば誰これ構わず手を出す。

思った通り三潴が織果に喧嘩を売った。

でも三潴は本気で自分の力を試したかったのか、織果にズタボロにされかなり凹んでいた。

織果は「いつでも受けて立ちます」と男らしいセリフを吐き、今はとりあえず一緒にご飯を食べようと三潴も家に招き入れた。


大した飯じゃない。

ほぼ毎日闇鍋だ。

女子だったらもっとあるだろう。ハンバーグとかオムライスとか。

俺がレモンチキンソテーを作った時は何故か三潴は泣きながら食っていた。



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