幼女総長と不良たち






織果の小さな小さな首筋。

仰向けに寝転ぶ俺の顔を覆うように首を差し出す。

壊れないようなるべく優しく牙を立て、でも唇全体でかぶり付く。


飲みすぎないよう、気を計らいながら。


「・・・なあ」

「・・・何?」


唇を離した俺から顔を持ち上げ、俺の顔を覗き込むように織果が見る。

口に残った甘い血を生唾と一緒にゴクリと飲み込んだ。肩の痛みが徐々にひいていく。


「・・・お前、いつになったら責任取ってくれんの。」

「・・・・・え?」


上から織果が俺の目の下のキズを見つめ、すぐに視線を横にやる。

小さな顔が真っ赤に染まった。


どうしたもんか、めちゃくちゃ可愛い・・・。


お前、その顔は、俺に「責任取る」って言ったこと

覚えてる顔?


可愛いすぎて、ついその小さな唇を下から(ついば)んだ。

・・・まさに鳥のようなキス───

何やってんだよ俺。アホらし・・・。


腕を回した織果の小さな背中が一気に熱を持つ。

大きな翠の瞳でそっと俺を見つめた。


・・・クソっ・・・

小さい織果に手が出せるのはここまでか?

・・・つか俺は我慢できんのか?!

いつまで我慢しなきゃならんのだ!!??



窓から入って来た風で織果の服の袖が少し捲れた。

袖の隙間から見えた肩には

痛々しい青紫色の咬み痕があった。

───っ!!

アイツに咬まれたのだろうか?!!


目を見開き顔を歪ませるも

・・・痛みを出さない織果の気遣いにそっと目を瞑った。


< 208 / 226 >

この作品をシェア

pagetop