幼女総長と不良たち
「そんなこと言いやがって!!
このチビ、バイクで引きずり回すぞ!!!」
そう悪態をつきながらもこの大男は片手で私を抱っこし、もう一方の掌で私の頬を撫でてくる。
その撫で方に気持ち悪さを覚え、ようやく私は叫び声を上げた。
「キャーーー!!!!キモいーーー!!」
男の手の甲には毛が生えている!!それがもうキモい!!
「イヤーーー!!!!」
「よちよち、どーちたんでちゅかー??」
急に男が赤ちゃん言葉で話し掛けてきた!!
これホンマもんのロリじゃん!!
無理無理!!!!
「お願い!!
たしゅけて!!!!
お兄たん!!!!」
私が「お兄たん」と言った瞬間、
4人の目が血走り周り一帯に殺気が放たれた。
四竃があっという間に男の股を潜り抜け後ろから足払いし、
男が転んだ勢いで私を腕から離す。
投げ出された私は里桜によってナイスキャッチされ、
宗平は転んだ男の腹に重い蹴りを入れていた。
男が口から血を吐き、周りに残された下っ端共が後ずさりをする。
最後に三潴が男の足の親指をコキッと折ると下っ端共は走って逃げて行った。
「お兄たん、やったったぜ☆」
三潴が親指を立てて私にウィンクをする。
大して何もしていない三潴に中指を立ててやった。
そして向こうの方から電気自動車の静かなエンジン音を聞き取った里桜が、私を抱えたまま慌てて走り出す。
「ヤッベッッ!!」
慌てて5人で逃げるも、その電気自動車はどんどんスピードを上げ近付いて来る。
実は喧嘩の後、大体決まって後始末をしに来る人物がいる。
それがこの人。
長身で黒髪ストレートの髪を靡かせ、抜群のスタイルでパンツスーツを着こなす彼女は、
「アホーーー!!!!逃げんなガキ共ぉ!!!!」
車を降りた彼女が猛スピードで追って来るとあっという間に里桜の背中を飛び蹴りした。
ズザアアアアアアアーーーーーー!!!!
再び投げ出された私は四竃に見事ナイスキャッチされた。
「いって!!何すんだよ四十路のクソババア!!!!」
綺麗にスライディングをした里桜が彼女に向かって暴言を吐くと、彼女が一番近くにいた三潴の頭をパーーーン!と叩いた。