幼女総長と不良たち
「・・・・散々人の血を飲んどいて他のヴァンパイアを遠ざけようとする方がおかしいんじゃないでしゅか??」
言ってやった。
里桜がチッと舌打ちをして水炊きの器と箸を置く。
でも里桜が言い返してくる前に私は更に攻撃を仕掛けた。
「散々人の血を飲んでおきながら合コンで他の女を求める方がよっぽど騙されてる気分になりましゅ!!」
わー
びっくり。
自分でも信じられない言葉が出てきてしまった!
というかこんなの子供の台詞じゃない。
こんな子供全然可愛くない!!
こんな嫉妬みたいなのがスラスラ出てきたことに自分で引きそう。
里桜と三潴は時を止められたように目を丸くしている。
駄目だ、自分で言った恰好悪い台詞に思わず顔が熱くなる。
もう今日は歯を磨いて早く寝よう。
こんなフリフリヒラヒラな服も早く脱ぎたいし。
マロニーだけとりあえず口の中に掻き込んで立ち上がると、私は2人の方は一切見ずに洗面所へと駆けて行った。
でもすぐにフリフリな服の裾につまずき、畳の上に豪快に転ぶ。
恰好悪すぎて涙が出そう。
でももう今は泣かない。
ここで泣いたら多分2人に見放される。
里桜はただ私を心配して言ってくれただけだってのはよく分かっている。
里桜が私の血に惹かれて寄って来た訳じゃないのだって痛いほど分かっている。
ちょっと反抗したくなっただけ。
自分でもなんで意思に反してこんなに感情が出て来てしまうのか分からない。
我慢しようとすればするほど目に涙が溜まる。