幼女総長と不良たち
「な、なんだ
この可愛さはっっ!!///」
抱っこされた状態で強くギュウッと宗平に抱き締められた私は、予想外の事態に慌てふためく。
私は全力で宗平の両腕を振り払おうとしてるのに、がっちりほーるどされた形でぴくりともしない!!
し、信じられない!!
たった1日で力を失っちゃうなんて!!!!
私は全く泣くつもりはなかったのに力を入れた反動で涙がぽろぽろ出始めた。
自分の意思と関係なく次々と涙が出てくる。
「うっううー・・・・・」
「はっ!!
ど、どうしたオルカ!!!!
なんだ?お腹が空いたのか??!
それともトイレか?!!」
「うっうぅ、私は猫じゃありましぇん~・・・」
宗平が胸から私の顔を離すと、暫しの間私の泣き顔を確認する。
彼の名前は二越宗平。
高3。
綺麗な薄栗色のさらさらヘアに美形すぎる顔立ちの金持ちセレヴヴァンパイア。
白丘高校のトップを張っている。
私は大学生にも関わらず、宗平は度々センチュリーで大学まで送り迎えをしてくれている。
運動のためにも自転車で行きたいのに何がなんでも迎えに来て無理矢理車に詰め込まれている。
それでも車の中で美味しい朝ごはんを与えてくれるから私も本気で拒否ることはない。
そして今、何故か真顔で私の泣き顔をただひたすら見つめてくる。
沈黙。
私の啜り泣く声だけが部屋に響く。
ジーッと5分ほど凝視してからハンカチでそっと涙を拭いてくれた。
怖い!5分も無言で真顔の凝視が怖い!!
トラウマになりそう!
でも宗平から借りた藍色のハンカチを両手で握るとなんだか少し安心した。
何かを掴むと赤ちゃんは安心するって聞いたことがあるけれどそれかもしれない。
なんて、自分で児虐を思ってみたり。。