幼女総長と不良たち
「ねえ、表にあったMINIは洸太郎の?また車変えたの??」
「・・・誰かさんに傷つけられたからね、安い車を選んだだけだよ。」
「ふーん、それでも外車とかなんか嫌味だよねー。」
平然と2人が話す中、私は何一つ声を出せない。
何でもいいから早くその部屋に私を返して欲しい。
そう思って部屋の中を見た。
その様子を察してかハン君の瞳が再び私を捕える。
「・・・ごめんね伊東さん。
一緒に来て欲しいところがあるんだ。」
「え・・・??!」
来て欲しいって・・・
そんな控えめに言われてもこの状況で喜んで行く奴がいるだろうか。
大体私は自宅待機と言われているし
見張りの宮部さんの目を盗んで行くことは出来ないだろう。
瞳子さんが直々に頼む警官は信頼度が高いはずだ。
いくら2人がヴァンパイアでも堂々と車で連れて行く輩を逃せるとは到底思えない。
「こ、このまま行くんでしゅか??」
私はTシャツの裾をぎゅっと握った。
違う。
行けないなら行けないと素直に逆らえばいいものを。
もっと言うべきことはあるし説明も仰ぎたいのに視えない恐怖からかそれをきちんと話せない。
友達なのに・・・