幼女総長と不良たち


凌久と一緒に家に上がると、あくびが止まらなくなった。

急に眠気がやって来たらしい。

居間に座り込むと、抱き締めていた幼虫のぬいぐるみがコロッと腕から落ちる。

私は弾力(だんりょく)のある幼虫の上に伏せるように顔をうずめた。


(うつ)ろな目をする私を、凌久が上から抱き上げお姫様抱っこをしてくれた。


隣の部屋に行くと私を布団に寝かせ、凌久も隣で当たり前のように寝転ぶ。


横向きに見つめ合うと、重たい(まぶた)の隙間から凌久の綺麗な顔がチラチラと見えた。

凌久が(ひじ)を曲げた腕に自分の頭を乗せ、私の頭を優しい手つきで撫でる。


さっき凌久の家で何か言いたげだった彼の唇が乾き、上下がくっつきながら(ひら)き始めた。


そんな姿が妙に色っぽい・・・

なんて思ったのも束の間、


彼の言葉が私の思考を停止させた。



< 93 / 226 >

この作品をシェア

pagetop