諦めた心
··日和
母さんから着信
「母さん?どうしたの?一華に?」
と、言うと
「······ひな···た、一華が···
いちか···が、目を··覚ました··の。」
「本当に?本当だね。直ぐ、行く。」
と、言うとそのまま教室を
飛び出した。
誰かに、声をかけられたような
だが、そんなこと処ではない
病室に着くと
一華は、泣いていた。
きっと、自分の身体の事を
聞いたのだろう。
俺は、一華を抱きしめて
「泣くな。
自分の身体を嘆いて泣くな。
一華の身体に、何か不自由が
あるなら、俺が代わりをする。
俺も、母さんも
一華が生きていてくれるだけで
幸せなんだ。嬉しいんだ。
お前のいない時間
月日をどれだけ悔やみ
嘆いたかわからない
そんな日々は、嫌なんだ。
だから、頼む
身体の事では泣かないでくれ。
だが、寂しいとか、辛いとか
悔しいとかでは、涙を我慢するな。
それは、俺や母さんに
知らせてくれ。」
と、訴えた。
そんな俺の顔は涙で溢れていて、
一華は、そんな俺の涙を手で拭いてくれた。
母さんは、そんな俺達を
見守っていた。
「お兄ちゃん、母さん。
ごめんね。ごめんなさい。」
「いいの、いいのよ。
一華がいてくれるだけで。」
と、母さんは、
一華の頭を撫で
「一華、少し眠りなさい。
沢山 聞いて、沢山 泣いたから
疲れたでしょう。
母さんもお兄ちゃんも
ここにいるから····ね。」
と、言うと
一華は、頷きながら
瞳を閉じた。