諦めた心
⑦··日和・一華
一華に少しずつ
表情がでてきた。
俺は、できる限り
一華に付いていた。
一華に真面目に大学院に行くように
言われながら·····
左手の固定が外れると
リハビリが始まった。
足の運動も兼ねて。
左足は、やはりバランスが
悪くて杖を使う事になった。
一生をお世話になるだろうから
小さめで、軽くて使いやすい物をと
先生が探してくれた。
それと足にあう装具の靴も
作ってもらった。
リハビリは、
痛みで顔を歪める事も多く
休憩を繰り返す一華を
母は、泣きそうな顔をして見守っていた。
ゆかりちゃんと旭君も
毎日顔を出してくれて
いろんな話をしてくれたり
励ましてくれたりしていた。
ゆかりちゃんは、目が覚めた
一華に泣きながら、怒りながら
「バカっ、何でも話してよ。
親友だと思っているのは
私だけなの?
だけど、気づいてあげれなくて
ごめん。
何にもしてあげられなくて
ごめん。」
と、謝っていた。
一華も
「ごめんね。ごめんね。」
と、言っていたが·····
旭君は、車椅子に乗せたり
杖を付いたままだったり
日によって変え、
一華を散歩に誘ってくれた。
入院して三週間になるとき
母さんと俺は
一華と今後を話し合った。
一華から、
「お父さんのようになりたい。
だめかな?」
と、言われたから
「やれば良い。
なんでもやってみたら良い。」
と、話した。
「ただ、院はお兄ちゃんと同じとこには
行かない。」
と、言ったから
自分で決めたら良いと話した。
山口院長とも話して
退院と大学復帰を決めた。
歩くのに時間がかかることも
大学側に説明をした。
先生のコメントもつけて。
山口院長の進めで
心療内科の先生の診察も
ずっと受けていた。
心療内科の先生は女性の先生で
回数を重ねる度に
一華は先生にも慣れ親しんでいった。
退院しても
心療内科には通院をする事と
一度は、山口院長に顔を見せる事を
約束させられていた。
一華は、照れ笑いをしながら
嬉しそうだった。
家に戻ってから
一華は、島の曽我屋先生にも
お礼の電話を入れた。