諦めた心

川添 旭の父、保氏は、
俺が連絡をとると
直ぐに時間を作ってくれた。

俺は、旭の現状を話した。

もちろん恋人の話しも
そして、旭の母・里さんの事も
一華の思いも。

保さんは、びっくりすると同時に
酷く落胆して
一華に謝っていた。

自分の育て方が、
間違っていた···と。

「妻にもきつく言います。」
と、言われて
「一華は、そのような事は
望んではいません。

旭には、大学時代、本当に
お世話になったのです。
こんな身体の自分を
好きになってくれる奇特な人は
他にいないと
一華は、旭と結婚しました。
沢山、支えてもらった。

と、言っていました。

だから、旭を1日も早く
解放したい、と。

旭には、健康でなんら問題ない人と
一緒に幸せになってほしい
と、言っています。」
と、話すと

保さんは、涙を拭きながら
「本当に、すみません。」
と、何度も謝り
「早急に御連絡致します。」
と、約束してくれた。

翌々日には、預けていた
離婚届けを渡してくれた。

「一華は、自分の衣服だけを
引き取り実家に帰ります。」
と、伝えると
「本当に大切な娘さんを
妹さんを傷つける事になりまして
申し訳ありませんでした。
私にとって一華さんは、
大切な娘で大事な嫁だと
思っていました。
それは、これからも変わることは
ありません。
ですから、出来る限りの事は
何でもしますので
なんなりとおっしゃって
ください。」
と、言って貰えて
保さんとわかれた。
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