諦めた心

旭から食事に誘われた。

最後だと思い、誘いにのることにした。

テーブルにつくなり
「一華、すまなかった。」
と、言う旭に
「旭は、なにも悪くない
私が、こんなだから。
真優さんと幸せになって。」
と、伝えた。

旭は、お義父様から
かなりしかられたらしい。

怒られることなく育った
旭にはかなりこたえたと。

お義母様も
お義父さんに言われて
自分がくちばしった事が
どれだけ、わたしを傷つけたか
わかったようだ。

お義母様も本当の事しか
言ってないのに······

「嫁として、なんの役にも
たてずにこちらの方が
申し訳ない。」
と、旭に伝えると
「バカっ、一華は、なにも悪くない
悪いのは、俺だ。

一華を守ることも
慈しむこともしなかった。

俺の全て責任だ。」
と、言う旭に
「なら、今度は真優さんを
ちゃんと幸せにしてあげて」
と、約束をさせた。

最後は、やはり昔の様に
友達に戻った。

旭は、この後
ゆかりに、けちょんけちょんに
怒られたのだが·······

ごめんね、ゆかりは、
私の味方だから······



翌日、角田所長から
二人とも呼ばれた。

離婚の報告を旭が行ったみたいだ。

私に、
「旭をこの特捜部におくか?」
と、聞かれたので
「置いてあげて下さい。」
と、言うと
「甘いな佐野は。」
と、所長から呆れられたが
旭は、
「二度と間違いのないようにしろ。」
と、叱られ
「次は僻地に飛ばすからな。」
と、言われていた。

藤堂さんと木原さんも
知ることになり
藤堂さんからも木原さんからも
軽蔑の目でみられて
さすがに旭が可哀想に思えた。

しばらくは、木原さんに苛められる
だろうな、と藤堂さんと話した。

藤堂さんは、私の事を心配して
くれていたが·····
「仕事をするだけで
     手一杯だから。」
と話すと
「無理だけはしないで下さいね」
と、言ってくれた。
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