諦めた心
⒍再会
旭は、真優さんに全てを話して
酷く泣かれて、怒られたらしい。
今は、交際を考えさせて
と、言われている····と。
まずは、私に謝りたいと
言っているらしいが
それは、実現できていない、
(あの、初詣の事を言っているらしい)
しっかりした女性だ。
地検の中が
バタバタと忙しくなった·······
不正取引が露見した。
日本の大手の企業と
海外の企業のようだ。
旭と吉原先生が組む
吉原先生は、海外の案件に強く
旭は、判断力が早く頭も切れる。
補佐として私も関わる事に
企業側も顧問弁護士がついている。
旭が、私にそっと紙を見せた。
なに?と旭を見上げると
トントンと紙の上を叩く
そこを見ると
顧問弁護士 大賀 怜
と、記載があった。
血の気が引いていくのがわかった。
手もふるえ、それを押さえるために
ギュッと力をいれると
「一華!!」
と、旭に叫ばれて
藤堂さんや所長までもが
私を見て
「「佐野?一華先生?」」
旭が私の手を開かさせ
藤堂さんは、驚いて
救急箱を持ってきて
治療してくれた。
藤堂さんに
「ありがとうございます。」
と、言うと
藤堂さんは、首を横にふってくれた。
所長は、心配したが
旭が話してくれるらしい。
その日の夜に
母さんと兄・日和に
その事を話した。
母は、心配をしていたが
兄が、
「なにかあったら
今度は容赦しない。」
と、力強く言った。