諦めた心

今では、旭と真優さんも
幸せに暮らしているようだ。



旭の父・保さんが
中々、旭自身を許さなかったようで。

旭は、お母さんと二人で
何度もお父さんに謝り
真優を大事にするからと
言ったらしいが。

一華ちゃんに申し訳ないと
頑としてきかなかったようで·····

旭が泣きついてきて
真優さんの為に
一華は、お父さんの勤める
大学に出向いて
お父さんと話しをした。

申し訳ないが
お母さんに合うことは
できない自分がいたので。

お父さんは、
私を見て涙を流されて
謝ってくれたが
お父さんは、なんにも悪くない。
私は、大丈夫ですから····
と、てっちゃんとの写真を
見せると
お父さんは、とても喜んでくれた。

そこへ、仕事を片付けた
てっちゃんが来て
お父さんとも挨拶を交わし

「旭は、一華の事以外では
仕事もできる男です。
新たな恋人は、一華に義理立てして
中々先に進めていないとか
一華は、私が責任を持って
幸せに致しますので
どうか、彼女、真優さんの
幸せになる道を与えて頂けないで
しょうか?」
と、てっちゃんが言うと
お父さんは、笑いながら
「一華ちゃん、本当に悪かったね。
沢山傷つけたのに
こんな風に、わざわざ来てくれて
ありがとう。
奥菜さんも、ありがとうございます。
一華ちゃんと奥菜さんに免じて
旭を許します。

お相手のお嬢さんにも
悪いことをしたな。」
と、言ってくれた。

本当に、お優しいお父さんだ。

帰り際に
「幸せになってください。」
と、言うお父さんに
「お体、くれぐれもお慈愛下さい。」
と、言ってわかれた。


旭は、私に何度もお礼を言ったが
「真優さんのためだよ。」
と、私は言っておいた。



私が、すべての事に
丸く、穏和になれたのは
全て、この人
てっちゃんのお陰だ。


まもなく、生まれてくる
我が子にも
きっと、惜しみ無い愛情を
注ぐであろう
愛する旦那さんは
私の膝で昼寝中·······



てっちゃん·····

いつまでも···

いつまでも····

······私を·····愛し···続けてね·····


            end
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