諦めた心
大学二年になると
怜と日和は、大学を卒業して
院へと進んだ。
中々、会えない怜と
喧嘩をすることもあったが
惚れた弱みで
私が我慢することが多かった。
そんな中
ゆかりや旭、法学部の仲間と
飲みに出掛ける事になった。
23時過ぎに自宅に帰りつき、
タクシーから
降りて玄関に向かって
歩いていたら
車の ‹ キィーっ ›と
いう音と同時に
ボンと背中をおされ
転んだと同時に
‹ どーん › という
すごい音が聞こえて
はっとして見ると
父が血を流して倒れていて
「きゃー!!きゃー!!」
私の声で兄と母が
飛び出してきて
兄がすぐに救急車を呼び
母は、父の元に
兄は、私の元にきて
「いちかっ、大丈夫か?」
「おにい··ちゃ··ん··とう··さん··が
とう···さ···ん····が····
と、言いながら
意識を亡くしてしまった。
私が目を覚ました時には、
父の葬儀は終わっていた。
兄と母は、交替で私に付いて
くれたらしい。
目を覚まさない間
ゆかりや旭、
友人達もきてくれたみたいだ。
皆は、
葬儀にも出席してくれたらしい。
葬儀は、かなりの長蛇ができて
大変だったと兄からきいた。
「親父の偉大さに驚いた。」
と、おどけて言ってくれた。
私が目を覚ましてからも
泣いてばかりいたから
兄が気づかってくれたのだ。
そんな兄に
「家に帰りたい。」
と、話すと先生に確認してくれて
退院となった。
私が病院にいる間
怜は、一度も来てくれる
事は······なかった······