世界でいちばんのお兄ちゃん2


女の子は俺の話を黙々と聞いて

問題をこなしていく。






「ねぇ。」

女の子が口を開いた

「ん?どうかしたの?」


「お兄ちゃんは、なんでこの施設にいるの?」

唐突な質問で驚いた俺

「俺はな、

親に見捨てられたんだよ」

あまり、言いにくかったが

迷わずそう話した





「お兄ちゃんは、辛くないの?苦しくないの?」

「うん。辛かったし、苦しかったよ。でも、逃げたら負けだし

だから、辛くても逃げなかったよ」



俺の家は貧しかった

俺の学費にお金を出す余裕も無い中

頑張って働いてくれた



だけど、


俺の親は俺を捨てた。




理由は、


自殺を図りたかっかららしい。





施設に入って、2日後に

俺は、その話を聞いた


交通事故で亡くなったとか言ってたけど

自殺ということは知っていた

計画性のある事故だったから

俺を施設に捨てて

親は、自殺したんだろう。

























「お兄ちゃん。」

「ん?」

「お兄ちゃんは先生になった方がいいよ。」

何気ない会話の中で、女の子はそう言った

「お兄ちゃんは、教えるの上手いから、

私が保証するよ。」

女の子は笑いながらそう言った

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