好きって言わせるから。



「気づいたら黒瀬くんが…」



どんどん不機嫌になっていく叶斗の顔が怖くて見れない。



すると小さな溜め息をついて




「あのさ。それを危機感がないって言うの。分かってんの?」



「っ、危機感ぐらいちゃんとあるもん」



「へぇー、じゃあ今の状況どう説明すんの? 言ったでしょ心桜の唇なんて簡単に奪えるって」




顎を軽く持ち上げられれば意地悪な表情をする叶斗。




「それにさ、心桜のせいで俺いろいろと我慢できないんだけど? どうしてくれんの?」



っ…



どうしてくれんのって言われても分かんないよ。




叶斗の言ってることの理解に追いつけてもいないんだから。




いつも叶斗の考えてことなんか分からなくなって叶斗に嫌われないように、離れていかないようにどう返せばいいのか分からなくなる……。


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