好きって言わせるから。



睨むように黒瀬を見れば軽くふっと笑って。



「賭けの内容はいたって簡単。俺が白咲さんを落とせたらお前には諦めてもらう。逆にお前が彼女から好きって言われたら俺は諦める」



「…本当に諦めてくれるんだろうな」



「もちろん。だけど条件付きで」



条件?


んだよそれ



「俺が白咲さんを諦めるのと俺が彼女に手を出すのは別」



「は?」



「瀬名ってさー、清野さんと二カ月だけ付き合うことにしたんでしょー?」




急に話を変えてくる黒瀬。




「それがどうしたんだよ」




今、そのことは関係がないはず。




だけど計算高い黒瀬はそれを逆手にとって…


< 176 / 257 >

この作品をシェア

pagetop