好きって言わせるから。
数秒の沈黙。
やっぱり答えたくなかった?
もしかして私の知らないところで告白してたとか?
「……告白はしない。好きって言わせたいから」
「っ、叶斗が好きでもない子と付き合ってたのって…」
「うん。全部好きな人を振り向かせたいかったから。でももうやめた。そんなことやってても意味ないって気づいたし」
「そっか…」
そう呟いた言葉からは寂しさが込み上がってくる。
叶斗に彼女ができたらもう幼なじみでいられなくなっちゃうのかな…
夕日が照らす帰り道、叶斗が心の中で「ほんとにバカ」なんて思っていたことは知らず…私は寂しさで叶斗にぎゅっと首に回す手を強めただけだった。