好きって言わせるから。
「……少しだけ頑張ってみる」
まだ勇気はでないけど、想い伝えないで後悔するならちょっとだけでも頑張ってみる価値はある…と思う。
「うん。振られたらすぐに私のところにおいでよ。慰めてあげるから、まぁそんなことにはなんないとは思うけどね」
私の髪を撫でながらクスッと笑った花穂。
「にしても心桜、あんた鈍感にもほどがあるよ」
「っ、鈍感じゃないもん…!!」
昨日の帰り道の話をすればさっきから鈍感としか言わない花穂。
「いや鈍感だから。普通瀬名くんの好きな人が素直じゃないっていう時点で気づくで誰だか分かるでしょ」
っ、そういうものなの…?
「…少しぐらい叶斗の好きな人が誰なのか教えてくれてもいいじゃん」
花穂は叶斗の好きな人が誰なのかを知ってるくせに聞いても教えてくれない。
「やだ。だって言ったらあんた前みたいに受け身になるから。だから自分で頑張って当ててみれば?」
そう言ってはニヤッと笑う花穂であった。