好きって言わせるから。



「かなと…?」



好きっていった後に頭を肩にのせてぎゅっと力が入るように抱きしめられるから名前を呼べば。




「嫌いになれるわけねぇだろ。俺も好きなんだから」




またぎゅっと抱きしめる力が強くなると、



聞こえてきたのはそんな言葉で…



「え……?」



い、今好きって…



私の空耳じゃないよね…?




「す、すきって恋愛感情のほうの…?」


「うん。ずっと心桜のことが好きだった。誰にも渡したくない」


「っ、」




まっすぐした瞳で見つめられるから恥ずかしくなって顔が赤くなっていくのが自分でも分かる。




「じゃ、じゃあ叶斗の好きな人って…」



「どう考えても心桜しかいない。あんなに言っても気づかないしほんと鈍感すぎて困る」



っ、鈍感じゃないもん…



なんて心の中で言っても伝わるはずはない。


< 241 / 257 >

この作品をシェア

pagetop