好きって言わせるから。
「否定しないってことは俺と離れたくないって思ってるってことでいいの?」
「っ、いじわる…っ」
そこまで分かっててわざわざ言ってくる叶斗は本当に意地悪だ。
こうなったら本当に寝てやる。
けど叶斗は離してくれなくて。
「離してよ…っ、叶斗なんて夜眠れなくなって悪夢でも見ればいいのにっ」
「無理、離さないから。
そんなこと言うなら心桜に聞こえるように大音量で映画見るよ」
っ、これは脅しだ。
大音量でホラー映画見られたら不気味な音や悲鳴が聞こえて眠れなくなっちゃう…
それでも叶斗はホラー映画を見させようとしてくる。
「うぅ…見なきゃだめ…?」
「ダメ。それか俺にキスしてくれたら見るのやめてあげてもいいよ」
さっきから口角が上がりっぱなしの叶斗。