好きって言わせるから。



学校へ行こうと靴を履いた時、お母さんに後ろから呼び止められ…



「あっ! 心桜! なんかあったら叶斗くんに頼るのよ?」


「うんっ、じゃあ、学校行ってくるね!」


「はーい、行ってらっしゃい~」



お母さんの手前「うん」なんて頷いちゃったけど叶斗、本当に来てくれるのかな……



ちょっぴり不安と期待をよせながらお母さんに挨拶をして家をでると…



「っ、」


「朝から俺を見てそんな顔?」


「っ、どうして叶斗が…」




学校から家に帰ることはあっても朝一緒に登校することはそんなにない。



こうして叶斗が家に来てくれるのはほんの稀。



ていうより指で数えられるほどの回数しかない。



それに叶斗は朝私以外の女の子とばっか登校してくるのを見るから…

< 33 / 257 >

この作品をシェア

pagetop