好きって言わせるから。



やっとの思いで立ち上がって玄関に行き鍵を開ければ…



「っ、心桜!」


「かな、と……っ」



叶斗に抱きしめられると安心して涙が流れ出てしまう。



「大丈夫だから」と何度も言いながらぎゅっと強く抱きしめてくれる叶斗。



「怖かった……っ」



叶斗のシャツをぎゅっと握ればさっきよりも抱きしめる力が強くなる。



「もうだいじょうぶ……」



しばらくの間叶斗に抱きしめながら泣き続けてた。



落ち着いてくるとそっと離してくれる叶斗。



「家の中入ろっか」



叶斗の言葉にうんと頷けば手を引っ張られ暗闇の家の中へと進んでいく。


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