好きって言わせるから。





「は!? また新しい彼女!?


ね、ねぇいいの心桜!!?」




次の日の朝、目の前にいる私の親友──花穂(かほ)が外にいる二人組をみて叫んでいる。



その二人というのはもちろん叶斗のことで…その隣には私の知らない女の子がいる。



これもいつもの光景なんだけどやっぱり胸がチクチクしてしまう。



「っ、叶斗なんか知らないっ」


「ほーう、こりゃあ珍しく拗ねてますね」


「っ、拗ねてないっ」



思わずムキになって言い返すと花穂はにやにやと私を見ていた。



「心桜、素直になったら?」


「っ、もともと素直だもんっ」


「ふーん、じゃあ瀬名くんのこと好き?」


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