好きって言わせるから。
*
「は!? また新しい彼女!?
ね、ねぇいいの心桜!!?」
次の日の朝、目の前にいる私の親友──花穂が外にいる二人組をみて叫んでいる。
その二人というのはもちろん叶斗のことで…その隣には私の知らない女の子がいる。
これもいつもの光景なんだけどやっぱり胸がチクチクしてしまう。
「っ、叶斗なんか知らないっ」
「ほーう、こりゃあ珍しく拗ねてますね」
「っ、拗ねてないっ」
思わずムキになって言い返すと花穂はにやにやと私を見ていた。
「心桜、素直になったら?」
「っ、もともと素直だもんっ」
「ふーん、じゃあ瀬名くんのこと好き?」