好きって言わせるから。
「瀬名叶斗」
1人で教室を出て廊下の角を曲がろうとしたとき誰かに呼び止められ振り返ると。
「なんだ。水越か」
「なんだ水越かじゃないわよ!! あんた彩葉ちゃんに恋にでも落ちたわけ!?」
怖い目をしてガミガミ言ってくるのは中学のころからの知り合いで心桜が‘‘花穂‘‘と呼んでるやつ。
「それはない。てかまた別れろって言いに来たの?」
よく水越は俺が付き合っては別れろって言いに来る。
‘‘そんなことをしてても心桜に好きって言ってもらえないよ‘‘って言うのは水越の決まり文句。
まぁ水越が言ったところで結局相手のほうに飽きられて振られるけど。
まずこんなことをしてなかったら心桜は俺の気持ちに気づかない。
中学のときがそうだったんだから。