好きって言わせるから。
**
「君が清野さん?」
名前は知っても顔は知らなかったから本人に確認してみると、
「か、叶斗くんっ!」
顔を真っ赤にした彼女。
「返事しに来たんだけどちょっといい?」
そういえば不安げにうんと頷いて俺たちは人のいない場所へと移動した。
「単刀直入にいうけど君とは付き合えない。ごめん」
心桜には付き合うだなんて嘘をついたけど本当は付き合うつもりはなかった。
ただその後の心桜がどんな反応すんのかななんて思って言ってみただけ。
結局心桜は顔を背けるだけで何を考えてるのか分からなかったけど…