犬奴隷に懐かれました~伝説級?そんなことよりもふもふしてもいいですか?~
 イケメン……。顔を見ます。うん、確かにイケメンですね。好みの問題もあると思いますが、塩顔っぽい目元に、形の良い鼻。
 それから、口角が上がった大きな口と、うっすら見える笑い皺。どう見ても、悪い顔には言えません。太陽のように笑う優しそうな男性に見えますよ。女性をとっかえひっかえに見えないんですけど……。
 まぁこんな風に、鑑定とちがって、検索はこの世界のあらゆる”ルクマール”に関する情報が表示されるからやっかいです。
 欲しい情報にたどり着くまで、検索を繰り返さないといけません。
 そればかりか、どうやら検索結果で得られた情報は真偽のほどが不確かのようなのです。時々、間違った情報や、誤解を誘発するような内容などもあります。そんなところまでグーグリ先生っぽいんですよっ!魔法なのに!

「えーっと、検索を絞り込まないといけません。ルクマール、それから街の名前、ここはカバノという街だったはずです。あと、見た目の特徴。髪は茶色ですね、それから、一番の特徴の体の大きさ」
 というわけで、検索窓のルクマールの後ろに「カバノ 茶髪、体が大きい」と打ち込み再度検索。
 さらに、画像検索に切り替えると、検索をかけた男の画像がずらずらと出てきました。
 おお、ビンゴです。私が鑑定をかけた男性の画像が表示されました。
 モンスターを倒しているシーンの画像がいくつか混じっているので、やっぱり冒険者だったのですね。
 ん?
 5歳くらいかな?小さなルクマール少年が猪みたいなモンスターから逃げる写真……えっと、おもらししてません?
 誰ですか!るクマール少年の黒歴史な写真WEBにのせちゃったの!可愛そうでしょう!
 見なかったことにしましょう。
 検索窓に「冒険者」という単語を追加。これで間違いなく目の前のルクマールさんに関する検索結果が得られるでしょう。
 どれどれ。
 画像検索から戻る。
 約束は守る男だが、守れない約束も良くする。
 約束は守るのですね。
 まずまず客にするにはよさそうです。
 ちゃんと確かめておかないと、お金を払ってくれないことがあるので、お客さん選びは慎重にしなければなりません。
 検索結果一覧に戻り、上から何かよさそうな情報はないかチェックしていきます。
【小さい頃は猪に追いかけられて泣いてたあの子も今では立派な冒険者か】
 って、検索結果をぽちっと押します。
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