犬奴隷に懐かれました~伝説級?そんなことよりもふもふしてもいいですか?~
 アメーナブログみたいな作りのサイトにつながりました。あ、もうめんどくさいからサイトと呼んでいます。本当は魔法ですし、なんというのでしょうか。
 冒険者一家の日記とタイトルが書かれています。とても綺麗で強そうな体格のよい女性の写真がトップ画像として使われています。
 そして、次男の思い出と題された記事に、あのおもらし写真が……。
 あわわわわっ!
 あなたですか!母!あなたがルクマールさんのの恥ずかしい過去を広めているのですか!
 うん、まぁ、あれですね。記事を読むと息子への愛情がたっぷりで、成長を喜んでいることがわかるんですが……。これ、知られたくないでしょうね、息子さんとしては……他の人に。
 おっと、ついつい読みふけってしまいました。ブログ記事って面白くて読んじゃいますよね。
 ん?
 気になる記事を発見。
◆2
「許すまじルクマール?」
【最近どうも足がかゆいと思っていたら、皮がめくれてきた。水虫だ。人生で今まで一度も水虫になったことなんてなかったのにっ!家族の誰かにうつされたに違いない。
 犯人は誰だ!
 どうも、犯人は次男のルクマールのようだ。
 あれほど、あれほど勝手に人の靴を履くなと言っておいたのに。
 靴ははいてない、ちょっと足をふくタオルを借りただけだって、余計に悪いっ!
 許さない。ご飯抜きだ。一生ご飯抜きだ!家ではご飯は食べさせないっ】
 あー。
 水虫をうつしてご飯抜きの刑……、斬新です……。
 どうでしょう、この情報で客にはなるでしょうか。……ルクマールさんの顔を改めて見ます。
 ……イケメンなのに水虫……。
 ああ、これ、私がなんかそのままにしたくない案件ですよ。
 なんでしょう……知ってしまったからには、治してあげたいです。ううう。
 自作のメモ帳を取り出しぱらぱらとめくり【鑑定】してこの町で集めた情報から、必要な部分を覚えます。
 第三通りの7番雑貨店のレイニーナ印ですね。はい、覚えたました。
 おっと、肝心のルクマールさんを見失っちゃういます。
 急いでルクマールさんの後を追います。
 ひときわ大きいので、遠くからでも簡単に見つけられました。見失わなくてよかったです。
「ルクマールさんっ!」
 大通りを抜けたところで追いつき、後ろから声をかけました。
「ん?なんだ坊主、知らない顔だが、俺に用事か?」
 坊主。
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