キミのことが好きすぎて
足音と先輩の背中を頼りに私は追いかける。
「ついてくんなっ」
そう言われると、何故かついて行きたくなるのが私だ。
「なんでっ、来るんだよ」
「せ、先輩が逃げるから......」
逃げながら言った悠真先輩に、私も負けじと言い返す。
だけど、先輩が止まってくれることは無い。
階段を駆け上がり、廊下に出た時に、2つ先の教室に入っていく人影が見えた。
もしかして、私を巻けたと思っているのかな。
だけど私は、騙されたふりなんかしない。
息を切らしながら歩いていき、先輩がいるであろう教室の前に立って、呼吸を整えるように、1度深く深呼吸をする。
ーーよし。
気合を入れて、私は勢いよくドアを開けた。
「先輩!大好きです」
開けた瞬間、私はそう叫んでいた。
目の前には、壁にもたれかかって上がった呼吸を整えている悠真先輩が居る。
バンッとドアを開けた音に、ビクッと肩が上がったのは見なかったことにしておこう。
それよりもーー。