キミのことが好きすぎて
私は先輩に逃げられないように、目の前まで突き進んだ。
目を逸らさないように、じっと見つめる。
先輩との距離は10センチくらいだ。
頭ひとつ分くらい上にある、悠真先輩の顔を見上げると、先輩の肌はキメ細かく、イケメン感が滲み出ていた。
かっこいい。
これは、先に逸らしたら負けだ。
絶対に私から逸らしてやるもんかっ!私は何故か、変なところで勝手に張り合っていた。
「あぁ、もう鬱陶しい......あっち行ってろ」
先に痺れを切らしたのは、悠真先輩だ。
私の視線から逃れようと、顔を背けてそう言った。
これはーー、もしかして、照れているの?
少し恥ずかしそうにしている様な気もする。
そんな先輩も、もちろん素敵なんだけれど。
「先輩、照れてるんですか?」
「っ......!うるさい。もうなんなんだお前はーー」
図星だったみたい。
なんなんだと言われたって、私は私だ。
「私は、中山結愛です。結愛って呼んでください」